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蛇娘と白髪魔のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

蛇娘と白髪魔(1968年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

養護施設の女子にめでたく親がみつかり屋敷にひきとられる。しかしその屋敷には。そう。よくある定番設定の怪奇物なのだが屋敷が近所でマチナカなのでゴシックなホラー感がもりあがらない。やはり屋敷はとおく山中の閉鎖的な村に。で。なくては。なのである。クライマックス。幽閉された屋敷屋根裏部屋から脱出。からがら養護施設にたどりつくのだが。施設長のシスターがナニモノかにころされ絶体絶命。でもやはりどこかもりあがらない。なにかあると施設と屋敷をいったりきたりなのである。で。おもったのだ。これは少女版家政婦はみた。そして少女版少年探偵団。では。と。ホラーというよりミステリー。そして田舎ゴシックではなく乱歩で清張な都会派かつ郊外宅地造成開発時代特有のミステリー。と。そうとらえるのだ。そうするとじつにハマリがよくなる。ライバル役の。主人公の姉の。なにやら不良少女更生物語のようにさえみれてしまうのだ。あの大映ドラマがよみがえる。東宝ならこうはならない。ホラーへとふりきれてしまう。積木くずしなどがよい例で映画版の東宝版なんか。もはやエクソシストへとふりきれてしまっている。しかしこの大映テイストの中途半端さ。そこがじつにあいらしい。少女漫画の映画化としてはこれはこれでよかったのでは。ビデオでの再観賞時。二階の屋根裏部屋だというのにあの脱出シーンはまるで何十階だてだかの塔の上からの脱出のようにみえた。屋敷敷地内。はるか眼下に高速道路がよこぎりその下を鉄道線路さえ建物スレスレにはしっていた。あれはどうかんがえてもおかしい。幼少リアルタイムでの劇場観賞時にはその他の恐怖場面ではなく。この巨大開発迷宮感に。その夜ねむれなくなった。のである。
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