Dantalian

ユージュアル・サスペクツのDantalianのレビュー・感想・評価

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
4.8
・キャラクターの演技の素晴らしさは、もちろん同時に俳優の演技の素晴らしさでもあるので、優れた才能に孕む反社会性を考えると恐ろしい
・銃、船、車、エレベーター、高層ビルなどなど、回想に出てくるものたちが全部物理的に重いものばかりだけど、それらを重そうに感じれば感じるほど、捏造される記憶だとわかる瞬間の不思議感が大きい。視覚は自分を裏切らないと脳は思っているから、ナラティブの信憑性が勝手に高くなるよね。

テキストのみのメディアでは、unreliable narratorが存在し得たかもしれないけど、視覚の情報(かつそれを創造する過程の大変さの想像)も絡むメディアだと、いくら信頼できない語り手でも、信頼したくなる。
映画というメディアのあり方について問う佳作でした。
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