まりぃくりすてぃ

いちごブロンドのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

いちごブロンド(1941年製作の映画)
4.1
生身の女性を物体みたく「エルメス」みたく「いちごブロンド」とか陰で呼ぶの、まずちょっと愉快。
本命いちごブロンドのヴァージニア嬢(リタ・ヘイワース)にエイミー嬢(オリヴィア・デ・ハヴィランド)が最初から僅差で勝っちゃってる気がしたのは、モノクロだから? エイミーのキメゼリフ「そういうこと(Exactly.)♡」の威力、次第に青天井。
ビフ(ジェームズ・キャグニー)がちょっと小柄すぎて癖の強いキャスト(←彼を見慣れてない私にとっては)だけど、その彼をはじめみんな所作がコンパクトでキビキビしてて、台本もスピーディーでムダなくてふくよかでもあるために推力の高いドラマを作れてて、恋敵ヒューゴ(ジャック・カーソン)は美声がかなりの武器だし、友人ニック(ジョージ・トビアス)のイイ人感とイェール大学生役の適所適材感もよろし。

ただ、男性のご都合に物語が寄りすぎてて、エイミーがビフに燃えてく描きが足りないので、ラブコメとして後半のところどころが空疎だったりもした。しかしビフの「前科」が予想と全然違う中身であったのは、情に少し来た。
出典は知らないが「復讐は天に任せろ」はナカナカな言葉。
そして終わってみたら、私も幸福。閉幕後のボードヴィル的トゥギャザー曲「バンドは鳴りやまず」のおかげもあって。もちろん。