のっけ

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いののっけのレビュー・感想・評価

4.0
・愛
まず一番に感じたのは、愛。
父の愛、母の愛、家族の愛、周囲の人の愛。
オスカーに向けられる愛がとても温かい。
その愛に気づいたオスカーが言った母への言葉や、綴った手紙に成長を感じた。
自分だけではなく他の人も何かを失っていること、
だからこそ、今を愛することが大切だということ。
オスカーと同じく、自分も心に留めておきたい。

また、親目線で観ると
子育てで大切なことを学ぶことができると思う。
自分は2つのことを学んだ気がする。
1つは必要以上に与えない事。
もう1つは最大限に愛情を注ぐこと。
自分に子どもができたら、これらを大切にしたいと思う。


・探し続けること
オスカーは本当に頭が良いと思った。
好奇心に対してまっすぐで、研究者のように調べ上げる。
匂いをかいだり、頬にあてたりする仕草もノートを作り方も
5感をフルに使っていて、すごいなあと感心した。


・タイトルについて
タイトルの「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」ものとは何か。
それについて考えたが、1度見ただけでは答えを出せなかった。
そこで、様々な人の感想を調べ、一番納得するものを見つけた。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」もの
それは、オスカー自身が「乗り越えるべきもの」だという。
タンバリンを叩いていなければ耐えられないほど「ものすごくうるさくて、」
ずっと自分についてまわる「ありえないほど近い」トラウマ。
彼の心の中で乗り越えなければならないものを抽象化した言葉が
「Extremely Loud & Incredibly Close」だったのだと。

「僕には苦手なものがいくつかある。 最悪な日からそれがグンと増えた。」
と言い、苦手なものを列挙するシーンは彼が持つ恐怖を感じさせる。

その彼が1つの壁を乗り越えて
ブランコをこぐシーンには感動した。

このカギは、
自分の期待したものを開けるカギではなかったかもしれない。
だが、たしかに、彼の心の扉を開けただろう。
のっけ

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