芸術やってます感、そのあざとさがやはり苦手。
完璧主義。いい意味で「いい加減さ」がない。
映画が通俗的な見世物であることを認めようとしない感じ。生真面目。
詩的な世界の創造のために映画を利用している。
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(以下引用・抜粋)
映画以外の何かへの信仰 胡散臭さ
「芸術」「詩的な世界の創造」を映画だけが無視しえた
資本主義的な制約を現実的な条件として受け止め、なお「詩的な世界の創造」に固執したとき、真に挑発的な作品が生まれ落ちたであろう
『サクリファイス』のカメラは、文句なしに素晴らしい
この審美主義的な映像は、映画とは異なる何かへの信仰を深めるのに貢献
(ノスタルジア)
世界に於ける水の遍在ぶりを、決して何がしかの象徴として描くことなく、ただ意味もわからぬままに耐えている。われわれがタルコフスキーに感動するのは、ただ、その一点に於いてである。それが、彼の信仰を映画の側に引き戻してくれるからである。
(サクリファイス)
人物たちの言動は、ことこどく映画的な感動を欠いている。物語の筋だては、ほとんど浅はかというに尽きている。そこでは何ものも作者にさからうことなく、しかるべき位置におさまっている。
にもかかわらず、タルコフスキーは貴重な映画作家である。
あらゆる意図を越えたかたちで、映画が彼を捉えてしまっているからだ。