140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ロックンローラの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ロックンローラ(2008年製作の映画)
3.7
”嗚呼、愛らしいトム・ハーディ”

今作を見るに至った経緯
「スター・ウォーズ・エピソード9大丈夫なのか?」問題。
そもそも何じゃそりゃ?と・・・
TV放映中のアニメ「アイカツスターズ」より、その作品を”JJエイブラムス版スター・ウォーズ”の波動を感じていて、”フォース”だの何なのとそのミステリー性とファンタジー性を期待していたものの、シーズン1クライマックスで、「おいおい、それでええんか?」という展開があって・・・と今作とまったく関係ないところでスター・ウォーズの未来を憂いていたところ、主要キャラクターに桜庭ローラというロックンなアイドルキャラがいたこともあり、そりゃ「ロックンローラ」見るでしょ!若干、キレ気味に鑑賞した、”我ら”がガイ・リッチー監督のクライム群像劇。

「ロック・ストック~」「スナッチ」でお家芸でもある、群像劇を利用したパズリング的登場人物配置とその回収の爽快感を、上記2作以上に高級感あふれる(カネをかけて)スタイリッシュブリティッシュ”楽しい”ロックンサスペンス。

「ロック・ストック~」「スナッチ」に比べると面白さは見劣りするものの、高級感に今回はステータスを置いているがゆえの、タワーマンションの一室をスタイリッシュに掃除していくような爽快感があるので、やはり”楽しい”のに変わらないのが良いですね。ジャカジャカかかるロックミュージックのセンスの良さと主役から脇まで名を連ねる、絶妙なキャスティング。ジェラルド・バトラーが間の抜けた筋肉スタイリッシュおじさんとしてピンチになったり、イドリス・エルバのバディ感、そして何よりゲイキャラとして可愛くて可愛くて仕方ないトム・ハーディ。このトムハ見るだけでも大いに価値のある存在感を放っているので、トムハファンは必見といってもいいでしょう。ヒール側の顔力抜群のマーク・ストロングもただただ憧れる・・・

高級感・顔力という名のキャラ萌え型のスタイリッシュパズリング群像劇にジャカジャカロックミュージックが加われば、シンプルに背伸びした”おしゃれ”で”憧れる”クライムムービーになるのだからアッパレですよ。

正直”毒にも薬にもならない”映画なのですが、ロシアン殺人マシーンのほほえましい追走劇や、間の抜けたピンチとアクションの緩くてピシッと決まったシーンは絶妙に頭に残りやすいですね。

「オレが真のロックンローラだ。」と言葉のパワープレイで締めてくるあたり、肩の力抜いて、日常から非日常へとダイブできる映画のマジックを巧妙に仕掛ける手腕は嫌いじゃないです。