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バニラ・スカイのYYamadaのレビュー・感想・評価

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)
3.6
オリジナルを凌駕する作品は!?
【リメイク映画のススメ】

◆本作 (リメイク作品)
バニラ・スカイ (2001)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・主演: トム・クルーズ
    ペネロペ・クルス
・監督: キャメロン・クロウ
・製作費: $68,000,000
・興行収入: $100,618,344

◆オリジナル作品 (リメイク元)
オープン・ユア・アイズ (1997)
・製作国: 🇪🇸スペイン
・主演: エドゥアルド・ノリエガ
ペネロペ・クルス
・監督: アレハンドロ・アメナバル
・製作費: $2,850,000
・興行収入: $6,800,000

〈リメイク作品のポイント〉
・英語圏に作品舞台の変更、
 グローバル市場向きに再製作
・「スターシステム」の採用により、
 集客力を拡大

〈見処〉
①ハリウッドによる「スターシステム」
 リメイクの成功作
・『バニラ・スカイ』は、2001年に制作されたアメリカ映画。
・本作の舞台はニューヨーク。出版界の若き富豪でプレイボーイのデヴィッド(トム・クルーズ)は、パーティーで出会った親友の恋人、ソフィア(ペネロペ・クルス)に一目惚れしてしまう。それに気付いたデイヴィッドのセックスフレンド・ジュリー(キャメロン・ディアス)は、嫉妬のあまり、彼と無理心中を図ろうと自動車事故を起こす。
・運転していたジュリーは死亡。助手席のデヴィッドは、3週間の昏睡から目覚めると、事故が原因でハンサムだった彼の顔は、無惨なものになっていた。この事故を契機に、デヴィッドの部下の老いた重役たちは会社を乗っ取ろうと策略をめぐらし、醜くなった顔のせいでデヴィッドの性格も段々と歪んでいく…(Wikipediaより抜粋)。
・本作は、殺人容疑で逮捕された仮面の男・デイヴィッドによる取り調べ室での供述を軸にストーリーが進行するサスペンスドラマ。
・本作の主演・製作のトム・クルーズがアレハンドロ・アメナバール監督の『オープン・ユア・アイズ』に惚れ込み、『ザ・エージェント』で組んだキャメロン・クロウ監督によるリメイクと連なった。

②ペネロベ・クルス
・本作に出演する、スペイン人の国際女優ペネロベ・クルス。1991年にフランスのテレビシリーズにてデビューした彼女は、活動を母国スペインに移し、23歳のときに本作オリジナル『オープン・ユア・アイズ』に同役にて主演。
・トム・クルーズに気に入られ、26歳で本作に出演したクルスは、プライベートでもクルーズと交際に発展。ニコール・キッドマンとクルーズの離婚の遠因になったといわれる。
・本作にて世界的スターに上り詰めたクルスであるが、しばらくは典型的なラテン系の役ばかり。演技派女優として評価を獲得されるようになったのは『ボルベール〈帰郷〉』(2006)と『それでも恋するバルセロナ』(2008)の成功から。とくに後者では、スペイン人女優として初めてアカデミー助演女優賞を受賞し、真の国際派スターとなった。

③結び…本作の見処は?
◎: トム・クルーズ、キャメロン・ディアスに新鋭ペネロベ・クルスを加えた「スターシステム」作品として、ネームバリューに負けないクオリティ。とくに、加齢にてアイドル配役が厳しくなりつつあったキャメロン・ディアスによる悪女の演技は彼女の新境地となり、オリジナル作品よりも、比較にならないほど良い。
◎: 本作冒頭にて描かれる「トム・クルーズひとりだけのタイムズ・スクエア」は、一体いくら使って、不眠の街から人を排除したのか?映画史に残るロケハン。
○: 本作のペネロペ・クルスは、英語にコンプレックスがあったのか?台詞は少ないながら、強いオーラを発揮。同役を演じたオリジナル作品よりも、魅力的に見える。
▲: 顔面崩壊後のトム・クルーズは、それでも一般人とは思えぬほどカッコ良い。オリジナル作品並みにケガレ役に挑戦して欲しい。
×: 舞台がニューヨークに変わり、俳優がグレードアップした以外は、恐ろしいほどオリジナル作品に同じ。そもそも本作のオチは、映画界の「禁じ手」。ラストは変えても良かったのでは?

〈リメイク作品の判定〉リメイク ○
演出    : ドロー▲
配役    : リメイク ○
特殊効果  : リメイク○
ストーリー : ドロー▲

リメイク作品のほうが優れていると思うが、全く同じ内容の作品を製作したのは、トム・クルーズによるペネロペへの下心に他ならない!?
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