ウシュアイア

幸せの教室のウシュアイアのレビュー・感想・評価

幸せの教室(2011年製作の映画)
3.4
[あらすじ]
学歴がないことを理由に長年勤めたスーパーからリストラ言い渡された中年男ラリーは一念発起して短大に入学することにする。そこで、世代の違う友人や個性豊かな教師に恵まれ、充実した学生生活を送る。

そんな中、ダメ夫との結婚生活に疲れ、仕事にやる気をなくしていたスピーチ講座担当の教師メルセデス・テイノーと出会う。


主演がトム・ハンクス、ジュリア・ロバーツということで、キャスティング的にラブコメディだろうと思わせるフシがあり、確かに中年の学生ラリーと教師メルセデスのラブコメ的ラブストーリーの展開はあるものの、リストラされた中年男の人生再スタートのドラマに主眼が置かれており、思わず考えさせらるところがある。

まず、最初に会社から、「あなたには学歴がないので、これ以上会社にいても昇進の見込みはないので、やめてもらいたい」と言われるシーンがあり、あらすじはある程度知っていたものの、こんな直接的なリストラ宣告があるんだ、とびっくり。ひょっとしたら特異な例なのかもしれないが、主人公は学歴差別などと騒がず、納得して会社を去っていくわけだが、やはりアメリカの高等教育機関での教育は実践的でかつ修得主義であるから、こうした学歴社会が成り立つのだろう。大学での教育内容の裏付けがあれば、大学を卒業したのがいつで何年かかったか、ということが問われないというのは、経済的な弱者や社会人での高等教育を可能にするものだし、こういうところはアメリカはいいと思う。その他にも、話の展開の中で、ところどころアメリカの高等教育事情を垣間見ることができ、なかなか興味深いものがある。

そういえば、大学の時に、似たような研究をやっているアメリカ大学の研究室の学生が、学費が尽きたことを理由に、休学してはたらき、1,2年後に復帰予定だ、などという話も聞いたこと聞いたこともあるしなぁ・・・。

ジュリア・ロバーツのお約束のラブコメもほどほどでちょうどよく、比較的万人ウケする仕上がりになっていると思う。

(2012年6月17日)
ウシュアイア

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