るい

菊次郎の夏のるいのレビュー・感想・評価

菊次郎の夏(1999年製作の映画)
4.2

夏休みのおもひで✏️


テーマ曲の「Summer」が発表された時からピアノでよく弾いてたけど映画は初めて見た。というか、最近までほとんど邦画見なかったし北野武作品の事なーんも知らんかったんよ。

時代劇にハマって「首」見てあまりにも面白かったからいくつか作品見たんですけど、どれもめっちゃ好き。どの作品も最後のセリフが素晴らしすぎてこの一言の為に物語が動いているんだなと感心する。

日本の監督だと黒澤明、内田吐夢が断トツ映画作りうまいなと思うんだけど、北野武も間違いなくこの天才たちに並ぶ。いやー、だいぶ遅ればせながらって感じだけど知れて良かったわ。

さて、当作品。
祖母と二人暮らしの小学生の正男と、ひょんな事から彼の母親宅を訪ねる事となった倫理観の全くない男とのロードムービー。

この男、妻からもらったお金を競輪に注ぎ込むわ、子供を飲み屋の外に立たせるわ、無茶言ってホテルに泊まるわ、畑泥棒するわでほんとむちゃくちゃ。

なんせ不謹慎な事しかない展開にびっくりしかせんのやけど、この物語と久石譲の音楽が何故かぴったりくるのよね。

で、出てくる人達も変な人ばかりで。でもどこか人間らしくてあったかい。最初は正男の旅だったのに途中からはこの中年の旅になってくる。

そして、正男の最後のセリフよ。
私泣いちゃったよ。

天使の羽の生えたリュック、幸せを呼ぶ天使の鈴。皆が彼に幸せを運んできたし、彼もまた皆に幸せのお裾分けをしたんじゃないだろうかと思うようなラストでした。
るい

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