筑波久子が主演なのにfilmarkarでは名前すらクレジットされていないってどういうことなんだ…。
母と妹を失い、その原因となった愚連隊に素性を隠して近づき自らの肉体を武器に復讐していくヒロインによるエロティック・サスペンス。映画の内容はどうということのない平凡な出来栄えなのだけれどもエロスを通して裏社会を描くという語り口は後年日活が製作するニューアクションやロマンポルノ、果ては石井隆作品にまで通じるものがあるし、ピンク映画第一号作品と呼ばれる『肉体の市場』(1962年、小林悟監督)の内容も本作と似通っており多大な影響を受けたのだろうなと勘ぐってしまう(しかも主演は元日活所属女優の香取環)。
終盤のシャープな銃撃戦のかっこ良さは日活アクション映画で活躍した野口監督の面目躍如。
筑波の婚約者で彼女が行方をくらましてもひたすら彼女を愛している大坂志郎が不憫すぎて泣けてくる、ラストは『天使のはらわた 赤い教室』の蟹江敬三みたいな状態になっていた。