セイラ

トゥルーマン・ショーのセイラのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.9
生まれたときからの生活を24時間世界中に生配信されている男の話。
最高に痛快なコメディ。
けれど、世の中の不条理とか倫理観の差異とか、コンテンツ化のボーダーラインとかは改めて考えられると思う。
穿った感想ではないかもしれないのだけど、
リアコという言葉が流通する今、絶対見るべき映画。

アイドルや著名人との境界がグレーになって、2.5次元の方々をどこまでコンテンツとして楽しみどこまでリアルとして意識しないか、が難しくなってきているような気がするので、他人の人生に勝手に介入している、という自覚を突然突き付けられた気がする。

佐藤マコト先生の『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~』を読了後と同じような感情になった。
思わず背後を確認し、目の前の人を勘繰り、電車の中では「もし今わたしが考えていることが聞こえている人は右手を挙げてください」なんて馬鹿な賭けをしたような、そんな不安に駆られた。
多分これ、ジムキャリーが主演じゃなきゃ笑えなかった、無茶な話なはずなのに背筋が凍ったのは彼の演技が凄まじかったからだと思う、、
ミシェル・フーコーの言うパノプティコンってこういうことかいな、、って今になって高校倫理の本質を考える機会になった。
ベンサムまでは分かっていたのにどうも社会との重ね合わせがうまくいっていなかったのですっきり。教科書を引っ張り出す機会をありがとうジムキャリー。

Good morning, and in case I don't see ya, good afternoon, good evening, and good night!

‐‐‐Pizza---
シルビアを誘ったときのセリフ、ピザを食べに行かない?と
一番最後のシーンのセリフ、ピザはもういい。他の番組を、テレビガイドは?が印象的。
というか、最後のシーンがあくまで視聴者が人の人生をテレビコンテンツとして楽しんでいた、というのがよく伝わって切なかったので、自分への救いとしてわたしくらいはピザ食べようかなあと。
バジルの季節ではないので家庭菜園の使えないのは残念だけど、初めてスーパーでバジルソースを買ってうきうき。
中火でじっくり焼けばフライパンでもできるし、即席なら餃子の皮で一口ピザも楽しくておすすめです!
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セイラ

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