ともぞう

バンド・ワゴンのともぞうのレビュー・感想・評価

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)
3.2
公開時54才のフレッドアステアと32才のシドチャリシーのダンスに尽きる。ララランドがオマージュした公園でのダンス。ラスト近くのチャリシーの脚線美!足に当時最高額の保険を掛けていたのも頷ける。ただ、惜しいのはストーリーが凡庸でテンポが悪い。同時期のミュージカルとしては「雨に唄えば」の方が格段に好きかな。

〈あらすじ〉
ダンス映画でその名を謳われたトニー・ハンター(フレッド・アステア )も、いまや自分の人気が下り坂になったことを悟らねばならなかった。そこへブロードウェイ時代からの親友レスター(オスカー・レヴァント)とリリー(ナネット・ファブレイ)のマートン夫妻が、とくにトニーのためにミュージカル・コメディを書きあげたからといって、しきりに誘いをかけて来た。トニーは舞台に自信が持てずためらったが、やはりニューヨークへ行く決心をした。マートン夫妻の新作は、「バンド・ワゴン」といったが、かれらの売り込みに乗って来たのは、高尚な芸術を目指すジェフリー・コードヴァ(ジャック・ブキャナン)という男で、彼は「バンド・ワゴン」を「ファウスト」の近代的音楽劇化に折込もうとした。これを知ってトニーやマートン夫妻はがっかりしたが、ジェフリーが説得上手の上に金蔓もにぎっているので、彼のアイデアをそのまま受け入れることにした。ジェフリーはトニーの相手役に意表をついてクラシック・バレエの新星ガブリエル・ギャビー・ジェラード(シド・チャリシー)を選んだ。トニーとギャビーは新しい仕事への不安で、初めから喧嘩をしたが、ある夜、2人だけで語り合い、お互いの誤解やわだかまりもすっかり解けた。いよいよ芸術的「バンド・ワゴン」はニュー・ヘヴンで幕をあけたが、ジェフリーのあまりにも現代ばなれしたアイデアのため、興行は惨々な失敗に終った。だがトニーやマートン夫妻は自分たちの「バンド・ワゴン」を諦めなかった。トニーは今度の失敗はジェフリーが楽しさを盛り込むことを忘れたためだと考え、踊りや歌に明るく楽しい創意を加えたショーに作りあげた。そして公演のために、トニーは自分の秘蔵の絵画をみんな売り払った。自分の非をみとめたジェフリーもこの新しいショーに参加することになった。トニーたちはニューヨーク公演に大事をとって、まず地方都市を打って回った。この巡業中、トニイのギャビーを愛する気持ちは次第につのっていったが、彼はこれを自分の胸一つにおさめ、淋しくあきらめていた。しかし、ギャビーも心秘かにトニーを愛していたのだ。ブロードウェイの披露公演は大成功だった。そのお祝いのパーティで、ギャビーはトニーに愛を打ち明け、トニーの喜びは絶頂に達した。
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