連続強盗犯を護送列車へ送る役目を誇りも何も無くした男が名乗りあげ、列車まで護送する。
「こいつは同じだ信頼に足る。」
と、ただ少しの会話でも、こんなふうにビビッときた友人が私にも1人いる。そんな何気ないところで一瞬で深く繋がる男の絆を、めっちゃ渋く描けている。この作品。良いぞ。
自分の存在意義を探し彷徨う姿。そして卑屈になっていく日々。そんな主人公の姿と、そんなうまく行かないことの連続の中でも一つの正義を貫き、正しくあろうとただその想いだけで体を動かす姿を、クリスチャンベイルがとても良い味出して演技してくれている。
そしてその男に次第と魅入られていく強盗団のボスを演じるラッセルクロウ。彼もまた自身の存在意義を次第に疑っていくというか、自分の芯を探しているというか。カリスマの中に存在する孤独というか、その感じをとてもうまく演じていたと思う。
新しい感じの西部劇。
勧善懲悪から離れた西部劇。これもまた良いじゃないですか。