りょうすけ

魔術師のりょうすけのレビュー・感想・評価

魔術師(1958年製作の映画)
4.0
邦題:魔術師
原題:Ansiktet
制作年:1958年
監督:イングマール・ベルイマン
キャスト:マックス・フォン・シドー、イングリッド・チューリン
上映時間:99分
鑑賞方法:TSUTAYAレンタル(220円+郵便返却)
メモ:
「魔術(宗教より?)」と「科学(宗教と真逆のもの)」との対立を描いた傑作。この作品の序盤でお偉いさんたちは「科学」を信仰するあまり「神」を信じることは馬鹿馬鹿しいと言ったような発言をする。これはベルイマン作品では非常に珍しい。ベルイマンは神を過信することは危険であるというメッセージを孕むことが多く、「神の沈黙」シリーズでも神の存在否定をしているわけではないように感じるからだ。

「ノートルダムの鐘」で描かれるように「魔術」は魔女、穢らわしい存在が使うもので神への敵対のように描かれるが、本作では「科学」の敵として「魔術」と「神」は同じ方角にいるものに感じた。魔術と魔法(マジック)は別の意味で扱われているのかもしれないが、いわゆるマジックにはタネがある。そのタネを明かすこと、それこそが科学の真髄なのだろうか?(これは中盤、魔術師たちが興行を行なっている際の科学者側からのアプローチから生まれた問い)

「神よりの存在」と「科学」の対立を描いた作品は多いが、僕が人生で初めて触れたその類の映画は「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜」だった。今にしてみると「ドラえもん」は様々な意味において奥が深い。
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