トシオ88

野獣死すべし 復讐のメカニックのトシオ88のレビュー・感想・評価

3.7
原作主人公の伊達邦彦を藤岡弘が演じる本作。
原作としては第2作目にあたる「復讐編」に該当する。小学生高学年時に伊達邦彦含む大藪春彦作品群に遭遇し、図書館では飽き足らず角川、徳間、カッパノベルスも全冊買って貪るように読んだ身からすると、やはり本作の伊達邦彦は小説のイメージとはかなり異なるかな😾。
しかし、殺しのシーンは頑張っていて、冒頭5分で突き落とし、轢死、射殺と殺しのオンパレード。そして銃砲のシーンはトビー門口とMGCの冬のgun祭りになっており、当時としてはふんだんに血糊が飛び散る🩸。そして、その後も小説を彷彿とさせる狙撃、拷問、爆破と邦画としては頑張っている。
粗筋としては、父親の会社を乗っ取った一族、そのメインバンク頭取他を次々と手にかけていく復讐のストーリー。しかし新聞記者役の黒沢年男に正体を見抜かれて…。四谷の上智大グラウンドを眼下に藤岡と黒沢の男二人が邂逅するシーンは相当濃く、藤岡弘の長いもみあげと黒沢年男の竹藪のようなパーマヘアーが他を圧する😾。遠方の真っ赤な営団丸の内線🚇が懐かしい😃。
そして終盤の大銃撃戦。正確に警官隊を射殺していく伊達邦彦の描写は原作に即していると思うが、その結末は…。小説の方はこの後、第三作「血の来訪者」を経て、伊達邦彦が英国秘密諜報員🇬🇧に転職して、読者は腰を抜かしたけど…映画の結末は観てのお楽しみです〜😆。
撮影監督木村大作の巧みなカメラアングルも堪能できる本作、仲代達也、松田優作、(木村一八😰)とも異なる、脂の乗った濃厚邦彦を堪能できます😆🎬。
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