ろく

地獄のろくのレビュー・感想・評価

地獄(1979年製作の映画)
2.2
なぜこうなった、神代。

中川版「地獄」や石井版「地獄」は観てるんだけど神代だけ見れてなかったので、良い機会と思い観たが頭痛が止まらない出来にケツに新聞紙さしてフラメンコ踊っちゃうぜ。

まず地獄という題名なのに物語のほとんどは村ベースの古き因習社会。ああ、近親相姦でしょ、ああ由緒正しい家でしょ、ああ怖い女でしょ、って金田一か!市川崑でいいじゃない、こんなの。

またそのパートがだるいだるい。一応田中邦衛の嫁(原田美枝子)が不倫をしてしまい殺されるってストーリー(いきなり陰惨だな)。でもって死んでも子供は生まれちゃう。その子が鬼子だから里子に出されてしまうっていう話なんすよ。で20年後。その里子(栗田ひろみ)が帰ってきて異母兄弟である兄(林隆三?)とセ○クスしてしまうという、ああどうでもいいですねストーリー。

まあところどころおかしいんだよ。まず窯が燃えて中から死体が出てくるんだけど探すときになるといきなり火が消える。石橋蓮司に首絞められている栗田は服が紺なのに白に変わる。田中は死んだはずなのに目があく(自ら)。崖崩れが起きているのに逃げずにセ○クスして死ぬ栗田。

あの、本気ですか、神代監督。

そしてお楽しみ地獄パート。

……地味だ。まず閻魔大王の顔が子供の落書きである。針山地獄は針が太すぎるのでそこを避ければ余裕で歩けるのになぜか地獄の住人は針に自ら刺さりに行く。血の池地獄では地面が突然裂けて(当然SFXです)熱湯地獄では顔がただれるだけ。

もう一度言おう、本気ですか、神代監督。

最後に至ってはもはや意味不明。芥川の杜子春かよって突っ込んでしまうといきなり最後は赤ん坊が海辺に現れる。そして山崎ハコ!何がしたかった神代。どうした神代。いい加減にしろよ、神代。

ただし狂ったおばはん役に岸田今日子、さらにはどうしようもない飲んだくれに田中邦衛となかなか味なラインナップ。

そして栗田ひろみ。ちょっとみ、蒼井優だよ。めちゃくちゃ可愛い。ただし声は野太い。ああ野太い声の蒼井優。萎えるわぁ。
ろく

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