スギノイチ

まむしと青大将のスギノイチのレビュー・感想・評価

まむしと青大将(1975年製作の映画)
4.0
意図的にシリーズの恒例は崩され、政が獄中にいる間に勝がシャバで成り上がっているという設定。
政は兄貴分としての面目を保つべく、麻雀で一獲千金を狙う。本作はギャンブラー映画なのだ。

「網走で五年間霜焼けで腫れた上をやな!ゴキブリ這わせて鍛えたポコチンで1億円イワしたる!」と訳のわからない勢いで突っ走る。
1億円の資産を持つトルコ嬢・緑魔子。爬虫類的イカサマ師・荒木一郎。麻雀が似合いすぎる金子信雄。
登場人物1人1人のキャラ立ちが半端ない。
麻雀シーンだけでなく、しっかりとやくざアクションもある。実録路線全盛だからか、登場人物が全員強かで強欲。
特に、出番はごく僅かながらも佐藤蛾次郎の狂気が凄い。こんなに怖い蛾次郎は見た事が無い。
裏切りの連鎖の果ての1億円の行方はいかにも中島貞夫イズムが炸裂。

中盤はダレるし麻雀パートとやくざパートの嵌合も良くないが、それを持って余りある魅力のある映画だ。
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