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事件記者のisopieのレビュー・感想・評価

事件記者(1959年製作の映画)
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特集レイトショー/日活アルチザン 山崎徳次郎の仕事

NHKの同名テレビドラマの映画化。初期は生放送だったテレビ放送黎明期の番組ゆえ、VTRも残っておらず、映画は番組の雰囲気を伝える貴重なものとなっている。わずか一時間足らずのSP(中篇)ながら映画的なおもしろさが詰まっている。

同時期の日活映画に比して、入り組んだ脚本は相当に緻密で、山崎徳次郎の演出も傑出している。このシリーズが当時たいして評判にならなかったのは、所詮テレビドラマの映画化でSP(シスター・ピクチャー=姉妹篇、転じて中篇を指す)でしょ、と日活社内でも一段低く見られていたのだろう。

スタジオドラマのテレビとちがって、ロケの実景に映画ならではの感興が。犯人コンビの宍戸錠と野呂圭介(めずらしや、ヒットマンをシリアスに演じている)は顔を歪めて笑ったりすごんだりの演技に手を抜いていない。ニュープリント。
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