起承転結は無く(あったのかもしれないが)、ただゆったりと物語が続いていく心地良さがありました。人生においての分岐した道についてが深いテーマであるように感じました。
シュールな場面が多く、会話は少ない。そして、たまに主人公のナレーションが入る、という独特な映画です。例えば、主人公の作った詩を稚拙であるように映して、笑いを誘うシーンや孤独のパラドックスという深みのある話をしている時に皆寝てしまうことなど面白いシーンが多くありました。
メインキャストが散歩するシーンは長回しで3分くらいぶっ通しだったんじゃないかな。
このようなヌーヴェルヴァーグの影響を受けた小難しいことを言う映画では、大抵印象に残った問答のようなものがある(それは問いであったり答えであったりする)。今作では、作家の苦悩についてというより、「何か書きたいと思うことは人間の本能なのだろうか」という作家ならではの問いが好きでした。
劇中で流れる単音のメロディも癖になりました。そして、子役として初出演のナスターシャ・キンスキーがミステリアスでめちゃくちゃ可愛かった。