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阿弥陀堂だよりのyasochiのレビュー・感想・評価

阿弥陀堂だより(2002年製作の映画)
3.3
北信濃、飯山の山村を舞台として
ほぼロケで撮られたと思われる
人生の晩年を1年分の飯山の自然の移ろいに乗せて綴った静かな作品

出だしの滝と水芭蕉と林と千曲川と妙高山が綺麗であり、そのままの感覚で寺尾聡や樋口可南子の癒しと復活の僥倖までのドラマが流れていく

2002年の作品なのでそれから14年が経過したという感じが全くしないのは映されるものの殆どが時間を超越した自然であったり、古い建物や古い人達だからかだろう

北林谷栄や田村高廣はすでに無く、夕焼け小焼けを歌った子供らは成人し、赤い橋は解体中、新幹線駅が病院の側に開業したけれど

おそらく本当に現地に住まわれていそうなおばあちゃん数名のお話しもインタビュー形式で挿入され、満州開拓から引揚げという歴史が語られたりもする

余りに小さな集落が舞台なので、わんさか観光客が訪れるとは思えないけれど、年配になっても仲の良いご夫婦には良いエリアかもしれませんね

飯山市の国道117号は千曲川沿いに走りますが、その自然はもとより沿道のお店の看板なんかも恐らくは景観条例で制限されており、ドライブして癒される区間です

雨ニモマケズ 宮沢賢治に比べればマイナーな 天上大風 良寛さんも、それ以上の説明なしに語られますが、新潟の出雲崎に良寛さんが暮らした五合庵という阿弥陀堂サイズの庵があります

何れにしてもご年配の方々向けですね
この映画も自然と同様にこれ以上古びずに残ると思われますのでもう12年経ったら見直して見たいです

それまでこの書き込みが残っているか、視聴システムはどう変化しているか、
ちょっと楽しみです
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