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憂国のkazu1961のレビュー・感想・評価

憂国(1966年製作の映画)
4.1
▪️Title : 「憂国」
Original Title :※※※
▪️Release Date:1966/04/12
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-145
▪️My Review
「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」を鑑賞したので、より三島由紀夫を理解したく彼の代表小説の映画化作品を鑑賞。
第一印象は“彼の遺言?””彼の人生の美学?”という率直な印象を持ちました。まさしく後年の自決の予行演習のようなもの。なので夫人は三島の死後、上映用フィルムの処分を配給元に要請したんですね。そのため、フィルムは存在しないと信じられ幻の作品と言われていました。
本作「憂国」は、1936年2月26日に皇道派の陸軍青年将校らが1483人の下士官兵を率いてクーデター未遂を起こした「ニ.二六事件」を基にした三島由紀夫の代表作。三島の思想を一番代弁した作品と呼ばれています。
死と妻の肌の美しさを官能的に描写したエロティシズムを加え、制作、監督、主演、脚色、美術を三島自身が務め、アート系作品としては異例のヒットとなったようです。
三島自身は、あるインタビューで「日本人のエロスがいかに死と結びつくか、正義に、あるいはその政治的状況に殉じるためにエロスがいかに最高の形をとるかが主題にあった」と述べています。
全編セリフなしでワーグナーの音楽を背景した愛と死の緻密な描写は、三島由紀夫の美学そのもので、アートにすら昇華した作品なのではと思います。

▪️Overview
三島由紀夫が原作、脚色、製作、監督、主演を務めた伝説のアート・ムービー。能舞台に見立てて作られた美術セット、艶かしい愛の交歓シーン、あまりにもリアルな切腹シーン……全編セリフなし、ワーグナーの音楽にのせて、愛と死が緻密に描かれるなど、三島由紀夫の美学が全編に溢れる。そのショッキングな内容と高度な芸術性が話題を呼び、日本のみならず欧米でも高い評価を受けたが、三島没後、上映プリントは焼却処分され、幻の作品と語り継がれてきた。後に密かに三島邸に保管されていたネガ・フィルムがほぼ完璧な保存状態で発見された。(引用:映画.com)
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