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Jリーグを100倍楽しく見る方法 ! !のeifonenのレビュー・感想・評価

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◆意外と見所あり

Jリーグ黎明・人気過熱期に作られた映画。実際のJリーグのプレイ集と、ショートアニメーション集が半々の構成になっている。プレイ集はただ懐かしいなといった感じで特に言う事はないが、アニメパートでは注目すべき点が2つある。

1つは、脚本に浦沢義雄が参加している点。
・ディアスが黄金の左足ばかりひいきするのでグレる右足
・リネカーは英国紳士なので爆撃されて犬にションベンをかけられても怒らない(怒れない)
・丸い物を見るとサッカー選手の血が騒ぎ蹴り飛ばしてしまう加藤久
・アジアの壁であろうとするあまり人間から離れ壁になっていく井原
などと、いかにも浦沢義雄らしいショートストーリーが堪能できる、浦沢ファンは見て損はない筈。

もう1つは、時折見せる動画・演出の気合の入り方。
製作は、「ちびまる子ちゃんわたしの好きな歌」を作ったあたりの亜細亜堂であり、監督は芝山努、コンテに佐藤竜雄、大地丙太郎など、私でも知っている名前がある。時折、本気で遊んでいるというか、アニメーターの矜持とでも言いたくなるようなエッジの立った動きや演出が差し込まれ、意外と楽しめる。

プレイ集とショートアニメで細切れになっているので映画としてどうかといわれると返す言葉がないが、少なくとも全く見所がない作品ではないと、個人的には思う。
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