アナ

テルマ&ルイーズのアナのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.3
最後泣いてしまった…..
素晴らしい映画だったな。

女子旅のつもりが、とあるアクシデントのため逃亡劇へ。
逃亡劇といえどロードムービー感の強い爽快さで、二人の平凡な女性の解放を描く。
特にテルマは、序盤こそ「世間知らずの奥さん」って感じだったのに、「わたしの中で何かが弾けたの」というセリフ通り、テルマの中で色々解放されてどんどん大胆に、自由に。
それはファッションにもよく現れていて、ノースリーブ&ジーンズは真似したい!

一方でプロミシングヤングウーマンのようなリベンジ性も。様々な男性が二人を抑圧したり力でねじ伏せようとしたり、とにかくどうしようもない。
そんな人々を「制裁」していく側面はマイルドに描かれつつも2024年現在もなお地続きの話であり、命題としては非常にシリアス。公開から30年以上経っているが、いまだに大した進歩がないんじゃないかと悲しい気持ちになる。

また警察サイドの描写においても、唯一二人を救おうとしたハルのセリフで「不遇の連鎖なんだ」はドカッときた。

ルイーズはテルマを救おうとして発砲しただけだが、過去のトラウマから自分達の動機やレイプ未遂はおそらく受け入れられないと思っていて、つまり警察や司法を信じていない。
叫びを受け入れてもらえない者、そんな世の中でも耳を傾けよう•向き合おうと最後まで諦めない者。二者が交わることなくクライマックスを迎えるのは、爽やかな演出ながらも痛烈であり、涙を流さざるを得ない。
しかしとても爽快で素敵な演出になっているため、この悲しみや悲痛な叫びはわからない人にはわからないかもしれない。

どうしても捕まりたくないルイーズは、馬鹿げてる未来がわかってたからなんだろうな。

そんな重たいテーマを持ちつつも、テルマがちょいちょい「すごく楽しい旅!」と言うのにとても救われた。

あと若き日のブラピがとても眩しかった……
アナ

アナ