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SF Short Filmsのdionemishのレビュー・感想・評価

SF Short Films(2002年製作の映画)
3.1
ちょっとだけ人生からはぐれちゃった人々が紡ぐ少し不思議なショートフィルム集。以下、各話のあらすじと感想。

『Return』作/中野裕之 出演/麻生久美子、村上淳ほか

あらすじ
田舎から上京し一人アルバイトにて生計をする空子は突然勤め先の倒産を知らされる。最後のアルバイト代としてなけなしの金券を貰った空子は、仕方なくタクシーに乗り金券ショップへと向かう。

感想
麻生久美子ってこういう上京娘の雰囲気を出すのが本当に上手いと思う。ムラジュンはこの頃からこういうコミカルなキャラクターがハマってたんだな。

『県道スター』 作/ピエール瀧 出演/ゲッツ板谷、安藤政信ほか

あらすじ
UFOの襲来を感じてはUFOを探しにバイクで疾走する癖のある謎の男、弁天さん。そしてそんなアホな男をなぜか慕っている、やっぱりアホな男のゴロー。
弁天さんは単にUFO探しに夢中なだけかと思いきや、ロープウェイの案内嬢である「エンヤさん」にホの字みたいだ…。

感想
ピエール瀧の映画なんて初めて観たけど、そんなこと知らなくても観てたら「ピエール瀧が撮りそうだな」と思いそうなぐらい瀧ワールド全開なリズム&シュールな世界。
安藤政信はどんなにバカな役でもやっぱりイケメンだし、ゲッツ板谷は本業じゃないのに笑わせ過ぎ。笑
正直ピエール瀧のファンならこの作品だけでも観る価値アリ。

『ハナとオジサン』 作/中野裕之 出演/hanae、ピエール瀧ほか

あらすじ
母子家庭で育つ少女のハナはいつもの留守番中、外から声をかけてきた謎の「オジサン」と出会う。それからハナは母の居ない間に、この明らかに怪しいんだけど悪い人ではなさそう、そんな不思議なオジサンと遊びに行くようになる。

感想
ハートフルな雰囲気でこの映画の中で一番好き。ピエール瀧の不器用で愛しいオジサン像が素敵。
余韻を残すのもショートフィルムの良さだなあと感じた。

『Adagietto. snhr Ingsam』 作/安藤政信 出演/麻生久美子

あらすじ
恐らくとある男による元カノの回想?

感想
麻生久美子のPVにしか見えない。笑
タイトル通り交響曲がBGMで、いかにもイケメンが好きそうなオシャレな雰囲気の映像だけど、この作品集の中にこれは明らかにスベってる気が…
ただ安藤政信に撮られて女の顔になっている麻生久美子が可愛すぎ。笑

『仲良きことは良きことかな』 作/中野裕之 出演/シティーボーイズほか

あらすじ
会社が倒産したことで50代にして無職になってしまった大木。途方に暮れてしまった大木は救いを求めるべく数年前に無職となった斉藤の家を訪ねる。するとそこに同じく無職である二人の共通の友人、北山が訪ねてきた。それから無職のオッサン3人によるヘンテコ生活が始まる。

感想
映画の中でシティーボーイズが観れることに感動。
3人の様子を観ながら、自分も金も無しに東京に出た時は、売れそうなゴミを探して夜の世田谷を徘徊してたな…と思い出した。笑
3人の演技を通り越して本当に仲良さそうな様子が伝わってきて微笑ましい作品。

『Slow is Beautiful 』

あらすじ
「time is money」ならぬ「time is life」を信条にマイペースに生きる空子の日常を、田舎のノスタルジックな風景と共に描いた作品。

感想
『Return』の続編?
空子の言い回しや性格が『インスタント沼』のハナメを想像させる。
ゆるい空気がなんとなく荻上直子の映画っぽい。いや麻生久美子だからか?笑
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