Rena

怪人マブゼ博士のRenaのレビュー・感想・評価

怪人マブゼ博士(1960年製作の映画)
4.2
原題:マブゼ博士の千の眼
DIE 1000 AUGEN DES DR. MABUSE

不安・不穏・胸騒ぎ

数々のゆっくりと渦巻く "目" に不気味な感情を煽られ、フリッツ・ラングが描き出す『 マブゼ博士 』の世界へと一気に引き込まれる...
オープニングクレジット
そして バックに流れる交響曲 ともに素晴らしい!!

舞台は1960年代
マブゼ博士 = 国民を恐怖に陥れる犯罪の天才
博士は30年程前に死亡したはずなのですが、彼の手口を連想させる事件が発生し...

果たして真犯人は?
博士は生きているのか!?

視線・行動・言動 から
登場人物のほとんどが何かしら怪しく見えてしまうラングの手腕。また、俳優陣の演技が素晴らしく、それに乗せられるように様々な推測をしながら観ていたのですが...自然と脳裏に刻みつけられたカットの断片がつながり、ハッとなった瞬間はたまらなかった。
そして、真相が明らかになった時の鳥肌が立つような感覚は、まさにサスペンスの醍醐味!!

個人的に中盤でしばらく緊張の糸が途切れてしまう部分もありましたが、それらももちろん大事なシーン。
またその後、終盤の目が覚めるような畳みかける展開は本当に見事でした。

殺人の道具にアメリカで開発された新兵器を取り入れ、また舞台の中心となるホテルにくまなく盛り込まれたゾッとする仕掛けは、かつてナチスが実行しようとしていたものなのだそう。そのようなアイデアを取り込むところも 巧妙ですよね。

私が初めて鑑賞したフリッツ・ラングの作品は “M” ですが、その時感じた不気味さは有り余るほど健在でした。

やられた
さすが フリッツ・ラング
おもしろかったです!!
Rena

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