矢野竜子

トイレの花子さんの矢野竜子のレビュー・感想・評価

トイレの花子さん(1995年製作の映画)
4.4
冒頭のクレーンショットで下で遊ぶ子供達が捕らえられた時、
なんとなくフリッツラングのMの
冒頭を思い出したが、
内容的にも子供たちを狙う殺人鬼、私的裁判、群衆心理、文字など
Mを想起せざるを得なかった。
また、ホラーシーンも含めて忘れ難い名シーンが多い。
(というか多くの方が言及されているように撮影が凄すぎる)
これを子供の頃に見たら間違いなくトラウマになっていたと思う。
鏡を鎌で傷付けながら殺人鬼が歩くシーン、普通に怖すぎる。
黒板に文字を書いていく様を捉え、そこから少女の表情にパンし
少女がポケットから重要な小道具を出して男の子に手渡すまでを
セリフもなく一連で捉えるわけだが、恥ずかしげもなく言えば
確かにここには映画が息づいていると思った。
恐怖であり敵だった「集団」が
光を元に一気に味方に転じていく終盤のカタルシスも良い。