集英社新書、小熊英二の『在日二世の記憶』で、この映画の監督、金守珍と「シネカノン」李鳳宇のインタビューを読んだばかりなのもあって、これを観た。
映画を作りたいということで、自らが立ち上げた劇団「新宿梁山泊」の芝居でもあったこれを、その役者も多く使ったという。
制作の過程は特典映像のドキュメンタリーでもわかるが、韓国に一から大阪のセットを組んで撮影したようすにも胸を打たれる。
今では国会議員として有名な山本太郎もハマり役で、クズ鉄を夜に乗じて盗み出す「アパッチ」族の背景をも描いている。
済州島の暴動「四・三事件」(よん・さんじけん)もセリフに出てくる。
「アパッチ」は『ガキ帝国』にも登場する。この映画のあとに、あの名作にふれれば、違うことが見えてくるだろう。
パワフルなドラマだ。