ぶみ

サインのぶみのレビュー・感想・評価

サイン(2002年製作の映画)
3.5
見逃してはならない兆候(サイン)がある。

M・ナイト・シャマラン監督、脚本、メル・ギブソン主演によるSFスリラー。
家の前の畑にミステリーサークルが出現したことをきっかけに、様々な出来事に巻き込まれる家族の姿を描く。
主人公となるグラハムをギブソン、弟メリルをホアキン・フェニックス、長男モーガンをローリー・カルキン、モーガンの妹ボーをアビゲイル・ブレスリンが演じているほか、シャマラン監督自身が獣医役として登場。
物語は、弟と子二人とともに暮らす元牧師のグラハム一家の前にミステリーサークルが突如出現、以降、愛犬が暴走したり、怪しげな影が見え隠れしたりと、様々な兆候(サイン)が現れる様が中心となり、登場人物は、ほぼグラハム一家の四人であるのに加えて、舞台もグラハム家が大半となることから、ワンシチュエーションものの様相で展開。
その一家を演じるのは、言わずもがなのギブソンを始め、弟がフェニックスであるのに加え、モーガンをマコーレー・カルキンを兄に持つローリー、そして本作品が映画デビューとなり、公開当時6歳のアビゲイルと、あらためて見るとなかなか豪華なキャスティングとなっている。
また、他の監督作品ではカメオ出演程度に監督自身が登場し、どこで出演していたのかが話題になることが多いのだが、本作品では、思いのほかガッツリと登場し、なおかつ物語の鍵を握る人物の一人となっていたのは驚いたところ。
本作品の核となる部分については、ネタバレになるため、あまり書くことができないものの、SFスリラーと言うよりも、もはやコメディと言っても過言ではないような展開となっており、野球好きな私としては、様々な伏線が回収されて迎えた結末は、結構ツボにハマった次第。
加えて、アビゲイル演じる役名がボーと、フェニックスが二十数年後の今になって、アリ・アスター監督『ボーはおそれている』で演じた主人公と同じ名前というのもまた何かの縁か。
ミステリーサークルがブームとなった頃をリアルタイムで知っている身としては、懐かしさがこみあげてきたのと同時に、その現実のミステリーサークル自体のオチも笑うしかないとともに、観終わった後に、Mr.Childrenの名曲『Sign』が頭の中でヘビロテしてしまった一作。

これで考えは読まれない。
ぶみ

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