肉鹿

魔の刻(とき)の肉鹿のレビュー・感想・評価

魔の刻(とき)(1985年製作の映画)
3.3
近親相姦の罪深さから別れてしまった母子。しかし、耐え切れずメンヘラストーカーになってしまった母によって深く絡まった愛憎劇がはじまる。

息子を溺愛するかなり気持ち悪い役を岩下志麻さんが演じてるんだけど、その潔癖さや清廉な佇まいから全部正しく見えちゃうから困った😂近親相姦好きじゃないけど岩下さんをずっと応援してたw
語尾を「もん」にして甘える時もギャップでただただかわいいし、常に顔が見えるよう髪を直すプロ意識もかっこいい😆

息子から「母」としても「女」としても見られたい究極の欲張りともいえるけど、結局最後まで下の名前では呼ばれないのが切なかった。あくまで母子の歪んだ愛情にしてて、恋人みたいな甘い関係にしてないのが確固たる倫理観感じます。

なのでラストも決してハッピーエンドにしてないのがよくて、今度は立場が逆転するかもと想像させる余地を残してるのが好き。お互い好きなのに、一生罪悪感を感じたまま忘れられず追いかけ続けてしまう報われなさは近親相姦への罰にちょうどいい。すくなくとも心中するよりずっと罰。
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