めしいらず

ダークシティのめしいらずのレビュー・感想・評価

ダークシティ(1998年製作の映画)
1.8
エンデの「モモ」をハードボイルド調のダークSFに翻案したような物語。記憶をなくして目覚めた男が娼婦殺しの濡れ衣を着せられ、警察の追っ手をかいくぐりながら、街の裏側から人々の記憶を捏造したものに差し替える謎の組織”異邦人”の目的に迫る。タイトル通りに陰翳の濃いシティの有り様や不気味な異邦人たちの凝った造形は既視感こそありつつもよく出来ていると思う。自分のものと信じている記憶がまるまる偽物だったら…という己の存在の拠り所に疑義を生じさせるようなテーマの恐ろしさもグッド。如何せん筋運びが米国流ペーパーバック小説のような安っぽさで早々に見飽きてしまう。全体的に作りが大仰で五月蝿い。クライマックスのサイキックバトルもつまらない。それに主人公が秘めている超能力が神の領域に達するレベルで鼻白んでしまう。それなら何でもありになってしまうじゃないか。
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