もこもも

男はつらいよ 寅次郎物語のもこもものレビュー・感想・評価

男はつらいよ 寅次郎物語(1987年製作の映画)
3.9
父が亡くなったことで寅さんを訪ねた少年・秀吉との蒸発した母を探す旅を描いた男はつらいよシリーズ第三十九作

今作は秀吉の母親や隆子さんを通して
人間が生きていける意味を
ストレートに力強く描かれていて
グッとくるシーン、セリフが多かった
秀吉との別れの寅さんのセリフが素敵
出番はそんなに少なめやけど
秋吉久美子さん演じる隆子さんとの
お父さん、お母さん呼びの掛け合い好き

寅さんの仕事仲間で亡くなった
秀吉の父に対して一度きりの人生をやのに
どうしてそういう生き方をしたのかって
説く寅さん言葉もめっちゃ沁みた
旅を通して秀吉との絆の深まりも沁みる

途中秀吉が宿で熱を出した時は
けっこうハラハラさせられた
秀吉の熱がおさまった時の隆子さんは
赤の他人とは思えない喜びようやったけど
自分も死のうと思っていたり、
自分の命を秀吉と重ねてもいたから
っていう背景もあったんやね...
ついさっきまで死のうと思っていても
次の日には生きてて良かった、
みたいなことも人生あるもんね
今回は平穏に柴又を去ったけど、
さくらの望みであるお正月を一緒には
迎えられないのがいつも切ない

「あぁ、生まれて来てよかったな、って
 思う事が何べんかあるんじゃない
 そのために生きてんじゃねえか」
もこもも

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