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トラウマ/鮮血の叫びの一人旅のレビュー・感想・評価

トラウマ/鮮血の叫び(1992年製作の映画)
5.0
ダリオ・アルジェント監督作。

イタリアンホラーの鬼才:ダリオ・アルジェントが愛娘のアーシア・アルジェントを初主演に迎え、アメリカ資本&アメリカロケで撮り上げたサスペンスホラーです。

イラストレーターのデヴィッドは、精神病院を脱走し投身自殺を図った16歳の美少女:オーラを咄嗟の判断で救い出すが、その後、霊媒師であるオーラの両親が降霊会後に何者かによって首を切断され殺害されるという猟奇殺人事件が発生、デヴィッドは両親を亡くし居場所を失ったオーラを匿いながら一連の事件の真相を追うが…という“猟奇サスペンスホラー”となっています。

二転三転の捻りを利かせたミステリアス&オカルトチックな優れた脚本と断末魔を伴う猟奇的なゴア演出が全編に冴え渡ったアルジェント中期の傑作ホラーで、電動ワイヤーによる首切断やエレベーターによるギロチン処刑のショッキングな殺人描写には特殊メイクの名人:トム・サヴィーニの類い稀な才気が思う存分発揮されていますし、犯人が潜む一軒家の隣家に暮らす虫取り少年の視点がヒッチコックの『裏窓』(1954)に代表される“覗き見スリラー”のエッセンスを付与しています。

そして、アルジェント監督の愛娘であるアーシア・アルジェント(撮影時18歳)が事件に巻き込まれる少女を演じていて、映画初主演にしていきなり父親に脱がされるという熱演を魅せています。
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