すごすぎてなんにもわからん……。高密度な物語と映像がデフォルト1.5倍速みたいなテンポで展開される。複数の関係性を、モチーフのレベル（別人を宿す＝顔を二重化する「お面」）でもイメージのレベル（トマト→供花のディゾルブなど）でも多層的に処理しようとしているのはぼんやりと察したが、たとえばラストカットは本当にあれでよかったのか確信が持てない。どれみがお面をつけるくだりは本当にすごい。女児が成熟した女の顔を装って恋人の男と擬似的に対峙するせいか、背徳的なエロティシズムがある。生々しいテクスチャ表現も妙な艶っぽさに寄与している。
