設定、プロットはとても興味深いのに、演出の凡庸さがスポイルしていて残念。前半はもっともっとサスペンスフルに撮ってほしい。それがあれば法廷場面での妻の複雑な感情がさらに痛切に立ち現れたはず。
というか、全編視点をジョディ・フォスターに固定した方がよかったのかもしれない。或いは、リチャード・ギア目線に固定して、その苦悩ぶりを掘り下げるのでも。中途半端な演出スタンスが、エモーションの喚起を損なっている。
それにしても、ジョディが美しい。鼻筋の通り具合、角度は芸術的ですらある。
土壌づくりから収穫まで、タバコ栽培をリアルに描いたところと、二人の表情がカットバックされるラストシーンはよい。