飲料会社のお客様相談係で電話クレーム対応をしている継村尚人は、その仕事ぶりから社内で一目置かれる存在。
ある日、継村はナイトウと名乗る男から奇妙なクレームを受ける――「新発売のミネラルウオーターに虫が混入していた」。
これまで通りの対応をする継村だったが、ナイトウにはまったく通用しない。
そればかりか、電話は自宅にもかかってくるようになる。
有名企業で働く真面目な優秀社員が、1本の電話を受けた事から崩壊していく姿を描いた心理ホラー。
“クレーマー”とは、企業などを対象に、製品、商品に対して苦情を申しつける際に加害者を演じ、時には脅しと思えるような行為に及ぶ者。
本作は、そんな顔の見えない相手から次第に追い詰められていく恐怖を描いたサスペンスホラーだ。
新感覚のホラー題材ですね。
見えない敵との精神的な戦いみたいなのはありがちだけど、クレーマーという舞台で広げられるのはちょっと新鮮さを感じた。
サービス業に従事すると避けて通れないクレーマー対策。
一般には浸透しているようで避けられていたテーマを、サスペンス・ホラーに仕上げた監督にまず拍手。
最初からクレーム対応の現場で始まります。
電話が鳴りタイトル通りの展開。
とりあえずこの職種には絶対就きたくないだろうという映画。
正直、これは観てる方も心理的にキツかったです。
主人公が感じる恐怖が、観客にもしっかり伝わってきます。
たった1本の電話が、たまたま電話に出た社員に執拗に言いがかりをつけ、何かと「 私はお客様なんですよ 」と言われ、主人公はどんどんおかしくなっていくんです。
しまいには主人公の家のドアにカミソリを仕掛けたり、会社の業績までもを危うくしようとしたり、あの手この手で主人公の精神状態を蝕んでいくクレーマー。
主人公は仕事も大切な人も今まで築き上げてきた地位も、1つずつ1つずつなくしていきます。
決して他人事ではない、日常に潜むひとつの恐怖として観ると、思わず主人公に感情移入してしまうかもしれない。
「あなた1人の人生くらいどうにだって出来るんですよ。私はお客様ですから。」
あぁ~~~っムカツク!むかつく!ムカつく~!超~むかつく!
クレーマーとかマジウザイ!!
会社の企業イメージのために、悪い事は隠そうとする経営方針など、時代を反映している点。
実際にこういう事がありそうな点なども考えさせられました。
ただ矛盾も多く、クレーマーがストーカーになる辺りはちょっとどうかと思った。
今回のケースは実際いたら怖いけど、ここまで発展したら警察に行くべきでは?
また、ホラーと呼ぶには弱すぎる上に、ラストが??????。
このラストでは内容の全てにおいて全く意味が分からなくなる。
結局犯人は何をしたかったんでしょうか?
消化不良と言うより、無理やり終わらせた感を強く感じ、非常に残念でした。