Tully

卒業のTullyのレビュー・感想・評価

卒業(1967年製作の映画)
5.0
主人公のベンジャミンはダメ野郎以外の何者でもないし好感は当然持てません。しかしながらベンジャミンを演じたダスティンホフマンは素晴らしいとしか言いようがない。初めての情事の際のホテルでの挙動不審な言動や行動、目線の演技。童貞を捨てたあとの小慣れた感じのスカした演技。もはやエレーンのストーカーと化しだしてからの情けない必死な演技。この映画だけでも様々な演技を魅せつけてもらいそれも全て素晴らしい、名優としか言いようがない。カメラワークや演出も面白い。特に好きなのは上機嫌で花なんか買ってアパートに戻ってきたベンジャミンがロビンソンさんが部屋にいて驚くシーンでこれも 「ダスティン・ホフマン」 の演技が素晴らしいので笑ってしまいます。音楽もいいですね、内容はそこまで明るい話でもないと思うんですが 「サイモン&ガーファンクル」 など癒し系雰囲気の音楽が随所に流れるので聴いてて心地いいです。ラストもやはり名シーン。「今更何やってんのこいつ」 と言われても仕方ないとは思いますが、エレーンへの愛は本物だと思いますし、理性が吹っ飛び周りが見えなくなるくらい突っ走るってのも愛情表現としては間違ってはいないと私は思います。主人公があれなので低評価な人も気持ちもわかりますがその主人公を見事に演じ上げた 「ダスティン・ホフマン」 は本当に素晴らしいです。
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