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007/ムーンレイカーのtjZeroのレビュー・感想・評価

007/ムーンレイカー(1979年製作の映画)
3.8
第⑤作『007は二度死ぬ』、前⑩作『私を愛したスパイ』に続き、ルイス・ギルバート監督がシリーズ3度目のメガホンをとりました。

3作に共通するのは、主役のボンドが小さく見えること。存在が薄いというデメリットではなく、活躍する舞台が大きく見えるというメリットです。
巨大な敵が企てる大がかりな陰謀を阻止すべく、ワールドワイドに暴れ回る007の活躍が痛快です。
スケール大きく感じられるので、満腹度が高め。いろんな要素を盛り気味のため、大味だったり、バカバカしかったりする所もあるのですが、「ええじゃないか」とお祭り気分でスルー出来るのが特徴です。

具体的な例としては、前作でスゴみのある悪役だった”ジョーズ”の転向ぶり。ゴジラやターミネーターがシリーズ作で善玉になったりするとガッカリさせられたりしますが、本作のジョーズはなんか微笑ましく、むしろ好ましく感じられたりします。

前作の長所をそのまま踏襲したような作りなので安心して楽しめるし、製作当時のSFブーム(『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』)に乗っかった大風呂敷の広げ方もワルくない。
ド派手でパロディ満載なため、スパイ物らしい緊迫感は薄めですが、お祭り気分で盛り上がれる娯楽大作となっています。
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