kazu1961

グリードのkazu1961のレビュー・感想・評価

グリード(1924年製作の映画)
3.9
▪️Title : 「グリード」
Original Title :「Greed」
▪️First Release Year:1925
▪️JP Release Date :1926/11/05
▪️Production Country:アメリカ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-376 再鑑賞
🕰Running Time:129分
▪️My Review
“とうとう接吻しちゃったんですねえ”(淀川長治)。そう、ここから物語は動きだします。
前半の結婚するまでの甘いムード、そして後半のお金が人を狂気に変えていく怖さ、その対比がより物語の怖さを引き立てます。
本作、エリッヒ・フォン・シュトロハイムが監督した妥協や虚飾を許さないリアリズム完全主義の代表とされる作品です。
この時代としては珍しく全てロケーション撮影され、しかも撮ったフィルムは85時間もありました。ラストシーンのデスヴァレーでの撮影だけで2ヶ月を費やしました。技術的には、パンフォーカス撮影やソビエト・モンタージュ理論に沿った編集といった洗練された映画テクニックを使いました(よく分かりません(笑))。内容的には、シュトロハイムはこの作品を、環境と遺伝によって運命づけられた人々が織りなすギリシア悲劇、と考えていたそうです。
更に本作は、42巻で8時間をこえるというオリジナル版をシュトロハイムの意向を無視してスタジオ側が約2時間半に編集し直されて公開されました。
物語は。。。
1908年、マクティーグはカリフォルニアの北斗七星金鉱採掘場で働く鉱夫でした。飲んだくれの父親に似た息子の将来を案じた母親は、巡回してきた偽医者のポッターに息子を託します。数年後、マクティーグは独立して、サンフランシスコで歯医者を経営していました。そこに親友のマーカスが従兄妹で許嫁のトリナを歯の治療のために連れてきます。女性とあまり接したことのないマクティーグはたちまちトリナに恋をし、治療中にトリナに接吻をしてしまいます。マクティーグはマーカスにトリナを譲ってほしいと頼むと、マーカスは侠気からトリナを譲り、さらにトリナには富くじを与えます。マクティーグとトリナは結婚することになりました。そこに、富くじが当選したとの報せ。トリナは5000ドルの金貨を手に入れます。しかし、それが3人の運命を狂わせることになります。。。
オープニングの伏線がエンディングに活かされているのも秀逸です。
とても人間の本質をついた怖い映画でした、『グリード』『貪欲』見事なシュトロハイムの傑作ですね。

▪️Overview
フランク・ノリス氏作の有名な小説「マックティーグ」を映画化したもので、エリッヒ・フォン・シュトロハイムとジューン・メイシスとが映画脚色し、「愚なる妻」「アルプス嵐」「悪魔の合鍵」等と同じくフォン・シュトロハイムが監督した。主役は「赤熱の十字架」「アルプス嵐」等で端役を演じていたギゾソン・ガウランドで、「ジョアンの嘆き」等出演のザス・ピッツ、「ステラ・ダラス(1925)」等出演のジーン・ハーショルト、「愚なる妻」「メアリー・ゴー・ラウンド」等に出演したデイル・フラー、チェスター・コンクリン、シルヴィア・アッシュトン、ジョーン・スタンディング嬢 、オースティン・ジュエル等が重要なる役を演ずる。(参考:映画.com)
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