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キャンディマンのsymaxのレビュー・感想・評価

キャンディマン(1992年製作の映画)
3.5
…その名前を鏡の前で5回唱えてはいけない…

"キャンディマン"についての都市伝説を研究中のイリノイ大学の大学院生ヘレンは、その名前を唱えてしまう"キャンディマン、キャンディマン、キャンディマン、キャンディマン、キャンディマン…"

"キャンディマン"の仕業とまことしやかにささやかれる殺人事件について知ることとなるヘレン。

その殺人事件の舞台となったのは、貧困層の黒人が数多く住む団地が立ち並ぶ"カブリニ・グリーン"…噂の真贋を確かめるべく、ヘレンは事件現場へ向かうのです…

大作公開に目が行きがちで、このままではひっそり公開が終わってしまいそうな"キャンディマン"新作に向け、旧作を久々鑑賞です。

都市伝説を軸にしながら、人種差別や貧富の差について此れ見よがしにゴリ押しする訳では無く、上手く物語の中に組み込んだ中々優秀なホラー作品です。

"キャンディマン"誕生には美しくも悲しく、そして何より残酷な話があり、右手の巨大な鉤爪が強烈なインパクトを与えるものの、その出立ちはどこかスマート…だからこそ、観る者に与える恐怖は倍増するのかと…

原作は、私がキングと並ぶ巨匠と尊敬するクライヴ・バーガー…"ヘルレイザー"も彼の作品です。

主役は、ヴァージニア・マドセン、私は"エレクトリック・ドリーム"で一目惚れしてしまい、ずっと追っかけていました。
"砂の惑星"では語り部となる姫役でしたね。
お兄さんは、一時、タランティーノ作品の常連で、マフィア役やらせるとピカイチのマイケル・マドセンです。

一時はB級作品のヒロイン的役回りが多かったですが、“サイドウェイ"での素晴らしい演技でアカデミー賞にノミネートされましたね。

今は60歳前後ですかね?たまにSNSで見かけるお姿は相変わらずお美しい…

本作は、ヴァージニア・マドセンばかりが目立ち、キャンディマンが活かし切れていないというところがありますし、社会的側面が強く、スプラッタ・ホラーとしてはやや弱いですし、グロくもありませんが、鑑賞後の余韻が深い良作です。

ジョーダン・ピールが注目した理由がなんとなく分かるような…新作どうなりますかね…
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