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ハタリ!のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ハタリ!(1962年製作の映画)
4.0
タンガニーカでオールロケをし、西部劇のダイナミズムをアフリカのサバンナに展開させたハワード・ホークス製作・監督によるアドベンチャー・コメディ。
原題:Hatari! (「危ない!」という意味のスワヒリ語)(1962 ,159分)

舞台は東アフリカのタンガニーカ。
世界中の動物園などに供給するため野生動物を生け捕りにする仕事をしているグループ"モメラ野獣ファーム"に、美しい女性カメラマンがスイスのバーゼル動物園の要請を受けてやってきて、騒動がおこる…。

(やってきた女性カメラマン)
・ "ダラス"(イタリア人のエルザ・マルティネッリ)

(グループの経営者)
・父である所長がサイに殺されて後を引き継いでいる若い娘"ブランディ"・(フランス人のミシェル・ジラルドン)

(捕獲グループのメンバー)
・リーダー格の"ショーン"(アメリカ人のジョン・ウェイン)
・発明狂の"ポケッツ"(アメリカ人のレッド・バトンズ):脇役としての存在感が光る。サルの捕獲用ロケットを作るが…。
・元オートレーサーの"カート"(ドイツ人のハーディ・クリューガー)
・新たに加わる”チップス”(フランス人のジェラール・ブラン):銃の名手
・リトルウルフ="インディアン"(ブルース・キャボット):冒頭、サイに突かれ怪我をしてしまう。
・"ルイス"・フランシスコ・ガルシア・ロペス(メキシコ系アメリカ人のヴァレンティン・デ・ヴァルガス)

「キスの話なんかくだらん。
確かに話だけならそうね。実際にやってみましょう」

「しゃべらないで。だまって聞いて。
なぜ?
その方が賢い」

タンガニーカの野生動物、サバンナの風景と捕獲の様子を追った美しく躍動感のあるラッセル・ハーランのカメラ・ワーク。
ハリー・カーニッツの原案をもとにリイ・ブラケットが書き上げた魅力的な脚本の妙。
ハーディー・クリューガーとジェラール・ブランの恋のさや当てに絡むのがレッド・バトンズであるのに対し、
ジョン・ウェインと健康的なお色気で魅力一杯のエルザ・マルチネッリとの恋模様に絡むのが人間ではなく子象"テンボ"、
ヘンリー・マンシーニ作曲のリズミカルな名曲"子象の行進"をバックに繰りひろげられる追っかけの楽しいこと。
ラストもうまくおちを利かせています。
スピーディーなテンポで、弛みのない2時間半。撮影現場も楽しかったのではと思わせる、子どもから大人までみんなで楽しめるまさにハワード・ホークス監督による一級の娯楽作品。こんな作品を作れる人は日本にはいませんね。
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