もりりた

蛇イチゴのもりりたのレビュー・感想・評価

蛇イチゴ(2003年製作の映画)
4.0
一見平凡な明智家だが祖父の葬式で父の秘密が明らかれ大混乱。しかし突如現場に音信不通の兄が突然現れその場を収める。兄が家族に深入りするにつれ各自密かに抱えた家族への鬱憤がぶつかり合う。

人の根底にあるブラックな感情に迫るお話!美談で語られがちな家族の繋がりが裏目った時の息苦しさ!簡単に断てないタチの悪さ!長い付き合い故に各自の欠点も分かっていて、普段は深層に隠れるはずがカオスに乗じて出る出る!お兄ちゃんは会いたかったと褒められ、真面目すぎると娘は貶される麻痺っぷりが気の毒すぎた!フラフラと適当に見える兄がしっかり締めるラスト、妹の下着で小遣い稼ぎのポテンシャル半端ない!

裏表激しい父はプライドもろとも丸裸にされ、堅実な母も義姉の心無い言葉に顔色真っ白。娘の結婚の顛末も加わりネガティブなシーンが続くけど不思議と目が離せず怖いもの見たさ的面白さがある!西川作品らしい渦中の強張った表情まで見せる演出も加わり自分ごとの様に緊張感が!金の切れ目が縁の切れ目で借金の怖さを思い知ったし、兄の振る舞いからは素行は容易に変わらず、よく知る前に懐に入れてはいけない教訓を得た!

再鑑賞で蛍原さん出演を完全に忘れていた…ってくらい宮迫さんがハマり役。表情も仕草も悪人だったな!リビングで事件のニュースが流れる緊迫した中、冷静を保ち兄妹で昔話のシーンが印象的でした!
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