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上海の伯爵夫人のotomのレビュー・感想・評価

上海の伯爵夫人(2005年製作の映画)
4.5
戦中上海ものの映画の雰囲気ってたまらんなぁ。植民地時代における国際的な緊張の中心地ってな具合で混沌の極み風だけれども、例えば『太陽の帝国』的な大変な動乱って感じでもない。しかしながら、元外交官と元貴族の力を失った没落者同士が異国で絶妙な距離を保ちながら交わるって筋書きはとても品があって良い。外界隔絶バー、そしてラストの潮流に逆らいやがて飲み込まれる図にとどこまでも人間の無力感があるものの、最後は一番近くに最も必要な人がいるって締めなので救いがある。ワールドワイドなヒロは流石。
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