カズオ・イシグロの脚本をJ・アイヴォリー監督が映像化。盲目の米国元外交官と逃げ延びたロシアの伯爵夫人が激動の時代に育むロマンス。クリストファー・ドイルがチャイニーズ・モダンの薫り漂う1930年代を詩的に撮影し、カズオ・イシグロの豊潤な台詞は深い洞察力を感じさせる。
全盲の主人公を演じるレイフ・ファインズは些細な仕草や声色、表情で演技が出来る俳優さんで、其の細やかな役どころに感心しました。キーパーソンでも有る日本人を演じる真田広之も淡々とした態度で有りつつも意味深な雰囲気を持つ良い演技でした。