レインウォッチャー

ロバと王女のレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

ロバと王女(1970年製作の映画)
3.5
基本的には目を甘やかすために特化した映画であり、大人の学芸会でリアル飛び出す絵本。
時代ならではのアナログでたまにビザールな工夫が、絢爛とチープ両サイドのものづくりを楽しませてくれる。たまに思い出したようにミュージカル、分身クッキングとか幽体離脱ランデブーとかラストシーンの「それに乗っちゃおしまい」のアレとか、超展開もアルヨ。

原作はシャルル・ペローの童話…なのだけれど、物語を構成する要素にはさまざまな馴染みの類型が散らばっていることがわかる。

・再婚に関する約束(呪い)を遺す妻
・肉親と結婚しようとする父
・求婚者を難題で試す姫
・高貴な者が醜く変装して姿を隠す
・アイテムを鍵にした嫁探し
などなど。

神話、寓話、民話はパッチワークと気付くと同時に、解剖図・家系図を作ってみたくなるな。
・ポンコツコンサル妖精
もどこかに見つかるかしら。

ところで遺言に従って妻以上の美女を探した結果、実の娘と結婚しようとする父王はまあ(流石のフランスでも?)アウトー!ではあるのだけれど、妻も妻でなかなかの悪意ある呪いを放りこんでったなとも思うし、そりゃカトリーヌ・ドヌーヴを亡くしたらカトリーヌ・ドヌーヴとしか結婚できんわなって謎の説得力があった。