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譜めくりの女のUnrelatedのネタバレレビュー・内容・結末

譜めくりの女(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

オープニングから不穏な雰囲気。
面接中に面接官の一人アリアーヌが、
勝手に入ってきた女性にサインをしていた。その光景が目に入ったせいでメラニーはピアノをやめてしまった。
しかも面接中にサインをしていただけならまだしも、面接の前にサインを求められて断っていたことから、
「ちゃんとメラニーの演奏を聞いていないのでは?」
「あるいは退屈しているのでは?」
といった感じでアリアーヌの性格の悪さが滲み出てるし、そのシーンを導入することによって、より理不尽に感じる。
そこからメラニーはアリアーヌと再び出会い、数日間過ごすことになるため、
一見するとこの作品は「メラニーがアリアーヌに復讐するために色々仕掛けていくサスペンス作品」だと思うだろう。

しかしこの作品には「恋愛要素」がある。
アリアーヌはメラニーと出会って1日目にも関わらず、出会った数が多いマネージャーよりも「信頼している」と言って、メラニーに譜めくりをして欲しいとお願いした。
しかもピアニストにとって譜めくりの人はとっても重要だとプレッシャーをかけるように(あのホロヴィッツがおっしゃっていたから!と言って重要だということを伝えている)言ってくるので、相当メラニーのことを信頼していることが分かる。またメラニーに対する好意をあらわすところとして、ヴァイオリンの演奏者から「あなたを見る彼女の目、まるで恋人をみるようだわ」と言われているところがある。
そして過ごしていくうちにメラニーがアリアーヌにキスしたり、かくれんぼのときに手を繋ごうとしたりし、好意があるように振る舞う。
その作戦が功を奏したのか「ごめんなさい」とメラニーが謝り、車の助手席に入ってきてアリアーヌの指に何度もキスするシーンで、アリアーヌは許してしまう。
それくらいメラニーのことが好きだし、縁を切ることができない存在なのだとアリアーヌは思っているのだろう(復讐が成功した主因)。
それでメラニーが家を出ていった後の朝、息子がピアノをしていたときにアリアーヌが腱鞘炎に気づけないのはただ無神経なのか恋の盲目なのか…。
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