主人公「俺」もだいぶぶっ飛んだキャラクターなのだがそれ以外の登場人物が全員狂っているので、本来なら感情移入できないはずだが、主人公に感情が吸い寄せられる。
シニモドキという臨死体験できる代物をめぐるロードムービーだが、非日常なテーマを扱うようで、日常パートに特に焦点があてられている。と思う。
しかし上記したように、登場人物が狂っているので、異化効果がうまれ、一歩引いた立場から作品を俯瞰でき、そうすることによって作品への過度な没入が防がれ、オーディエンス自らの生死観を改めて客観視できるような仕組みになっているのではないだろうか。