ダメハム

宮本武蔵 巌流島の決斗のダメハムのレビュー・感想・評価

宮本武蔵 巌流島の決斗(1965年製作の映画)
3.8
1965年の内田吐夢監督作品。全5部作の完結編。序盤から10分もかけて4作のまとめを挿入して、第5作目から見ても分かるようにしている作りは、前作から配収が落ち込んだために取った製作側の都合が見て取れる。

ラストの佐々木小次郎との戦いが全てなのだが、前作の戦いから終始罪の意識に苛まれてる武蔵の姿が痛々しい。今までのフラッシュバックを流した後の「しょせん剣は武器か」はあまりにも寂し過ぎる。特に3年間の幽閉生活から外に出てきて、これから剣の道に生きると決意したシーンが最後に出てきたときは、とんでもない喪失感を覚えた。完全に罪と罰の物語になってしまった・・・。

おばばが佐々木小次郎との戦いに赴く武蔵に向けて「負けるでないぞ!」と声を掛けたシーンが一番ぐっと来たのは内緒。

あと、一番気になったのが、2から4作目までずっと出てきた武蔵の弟子の城太郎が完全にいない者として扱われて、急に新しい弟子として伊織が出てきたのが納得いかない。回収していない伏線が多いのも残念だが、シリーズ通して名作であることは間違いない。
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