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シャフトのotomisanのレビュー・感想・評価

シャフト(2000年製作の映画)
3.9
 孤狼の血と二本立てで見たらえらくリラックスしてしまった。突っ込み処もくすぐりも満載で、あばたもえくぼ。
 感心したのはC.ベイルで憎っくき犯罪坊ちゃんと思いきや、途中随分ないじられようで、終盤の片づけられ具合にも唖然。更に出てくる人物が皆、犯罪者に見えてしまう有象無象振りで、犯罪坊ちゃんの悪さに箔をつけて盛り上げようという気はさらさら無いらしい。
 それにしても、目撃証人の出廷にこぎつけた苦労をふいにする幕切れを選んだことは気になる。分かりやすく私刑で答えるあたりはこの話の乗りにピッタリなんだが。この一場だけは事を現実に引き戻す格好になっている。不平等や金に飽かした不当なまでの取引がまかり通る傍らでのこの私刑、禁じ手に違いないが犯罪性など霞んでしまうくらい司法はクソだろ。と、計算の上での採用なのかも知れない。こんな辺りが”孤狼の血”とは違うのだ。
 それでもいい。S.L.ジャクソンがバンッと張って引きずり倒していけば、ほろ苦い幕切れも何のその。今日も街は犯罪だらけなのだ。
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