Risa

めざめのRisaのネタバレレビュー・内容・結末

めざめ(2002年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

闘牛と闘牛士との戦いで、闘牛は闘牛士を刺し、闘牛は殺される。
そこから繰り出される 4つのストーリーが同時に進んで行きます。

変わった構成に、息の詰まる重圧的な内容。

殺された闘牛は 解体されます。
眼球を手に入れた研究者の話
骨を手に入れた犬の居る家族の話
角を手に入れた剥製技師の話
精肉として世に出て 其れを食べた女性の話

闘牛士は瀕死。肝臓をやられてドナー待ち。

それぞれは 家族や まわりの人間を巻き込んだ ヒューマンドラマがあります。
サスペンスでは無いですが、この暗さはヒューマンドラマでは見ない暗さ。

眼球を手に入れた研究者は その闘牛の片目が見えていないことを知ります。
慣れた闘牛士でも 片目が見えていない闘牛の前では素人。訓練を受けていても、予想と違う動きをするので、この事故は 当然なんです。 サスペンスかと思いきや、そうではありませんね。
この研究者の妻は妊娠してますが、研究熱心な旦那は妻に関心が無く、不妊で悩んでいたことも知らない。不妊治療の結果 5つ子が生まれます。妻は知っていながら隠していましたし、それに気がつかない旦那。人への関心よりも 研究。
特に救われるシーンも無く、ただ、子供達は5人元気に産まれてきました。

骨を手に入れた家族の話の、5歳児少女の演技にこちらも動揺しました。鋭い表情で伝えることの情報量が大きいです。

裸でプールに入り セラピーを受ける男女達やら 自殺が出来ない死にたい男、ホクロをとったが手術痕が残った自称女優やら シュールな人達。

角を手に入れた剥製技師の男はマザコン。
これは、、大好きな母親を剥製にするのでは、、?

闘牛というスポーツ?文化は 私 苦手です。。
闘牛には 果てしないストレスを与えます。闘牛士は死と隣り合わせ。
お客をヒヤヒヤさせますね。
この映画に出てくる4組の家族も 見ていて ずっと ヒヤヒヤし、結果的に 大きく救われることも無い。
闘牛を見て居る気分でした。

女性監督らしい独特な目線は なかなか 興味深く、この監督の他の作品が有れば 是非観たいと思いましたが、無い模様。。
Risa

Risa