ニャントラ

ステロイド合衆国 〜スポーツ大国の副作用〜のニャントラのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

・反ステロイド(使ったこともある)の主人公がステロイドに関係している色んな人に話を聞くドキュメンタリー。なかなか鋭く切り込んでいくので田原総一朗みたいだなと思った(そこまで鋭くはない)。
・そうしないと話が成り立たないからかもしれないけど、主人公は嘘とか悪いことに物凄く過敏に反応しているように感じた。でも世の中には「なあなあ」と嘘が蔓延してるもんだよなあと思いながら見てたら、最後に「弟はステロイド使ってるけど、弟の勇姿を見て両親が喜んでたからそれでもいいんじゃないか」みたいな話になって、そうそう、そうなんだよ〜と思った。やらない方がいいに越したことはないのかもしれないけど、グレーなこともNGとして、正しいことだけ貫いて生きていくのはかなり息苦しいだろうと思う。犯罪はしない方がいいし、ステロイド打って何かあっても自己責任だけど。家族がいる人が打つもんではない。
・途中でグラセフ出てきて笑ったけど、グラセフってアメリカでは龍が如く的なポジションなのかな。と思った。
・後半は家族の話もあり。主題はステロイドだけど「夢を諦めきれない中年男性」の話でもあるなと思った。お兄ちゃん、いい歳こいて夢見すぎな気はしたけど、そういう国民性もあるのかもしれない。アメリカの子どもにとっての「ヒーロー」という存在の大きさがいかほどなのか?そしてそれは日本の子どもが持つ「ヒーロー」への熱い気持ちとは性質や大きさが違うものなのか?は分からないけど、なんとなくアメリカの方が気持ち大きそうだし、「普通の暮らし」を認めるハードルが高そう。特に男性は。なんか、成功しないといけない空気があるというか。
・アメリカはマッチョイズムが強過ぎるというか、「男は屈強であればあるほど良い!力こそパワー!」みたいな価値観が強過ぎるんだろうなと思った。女も「美しくないと」って摂食障害になったり謎のダイエットサプリ飲んだりするけど、男の人も大して変わらないというか、男は男で大変なんだなと思った。
・有名人はキラキラしてるように見えるけどずっと強者でいなきゃいけない。そのプレッシャーは計り知れないなと思った。それなら自分は平民暮らしのほうが気楽でいいかも。
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